日本語での二人称
【目次の開閉】
二人称ではないものも混じっています。ご了承ください。
目上の相手を呼ぶ場合
- 貴方、貴女、貴男 あなた
- きみの軽い尊敬をこめた言い方。同輩または目上の相手に対して使う。親しい男女間で相手を呼ぶときにも使う。あなたさま。
- 上様 うえさま
- 天皇・将軍など貴人に対して尊敬の意をこめて使う。
- お宅、御宅 おたく
- 同輩または目上のあまり親しくない相手に対して使う。
- 御身 おんみ
- 相手に敬意をもって使う。
- 閣下 かっか
- 高位高官の人に対して使う。将官の軍人や勅任官以上の文官に対して使う。
- 貴台 きだい
- 主に手紙などで相手を敬って使う。
- 猊下 げいか
- 高僧・大学者に対して使う。
- 閤下 こうか
- 貴人に対して使う。
- 高台 こうだい
- 主に手紙などで相手を敬って使う。
- 聖下 せいか
- キリスト教における最高位の聖職者に対して使う。
- 尊台 そんだい
- 主に手紙などで相手を敬って使う。
- 尊堂 そんどう
- 主に手紙などで相手を敬って使う。
- 台下 だいか
- 身分の高い人物に対して敬意をこめて使う。
- 殿下 でんか
- 皇太子・皇族や摂政・関白・将軍などに対して使う。古くはてんがとも。
- 殿 との
- 貴人・主君に対して敬って使う。また、女性が夫に対しても使う。
- 陛下 へいか
- 中国では天子、日本では天皇・皇后・皇太后・太皇太后に対して使う。国王やその配偶者に対しても使う。
- 汝 みまし
- いましより敬意が高い。相手に対して尊敬をこめて使う。
同輩の相手を呼ぶ場合
- 汝 いまし
- 相手に対して親しみをこめて使う。
- 御手前 おてまえ
- 主に武士が同輩に対して使う。
- 御身 おみ
- 同輩またはそれに近い相手に対して使う。
- 此方 こなた
- 対等に近い目上や目下の相手に対して敬意をこめて使う。
- 雅兄 がけい
- 男性が手紙などで、相手の男性に対して敬意をこめて使う。
- 貴下 きか
- 男性が手紙などで、同輩または目下の相手に対して敬意をこめて使う。
- 貴君 きくん
- 男性が手紙などで、同輩または目下の相手(男性)に対して軽い敬意をこめて使う。きみより丁寧。
- 貴兄 きけい
- 男性が手紙などで、同輩または目上の相手(男性)に対して敬意をこめて使う。
- 貴公 きこう
- 江戸前期には武士が目上の相手に対して敬意をこめて使ったが、江戸末期には武士以外も使うようになり、同輩または目下の相手に使う。
- 貴所 きしょ
- 主に男性が相手を敬って使う。江戸時代以降は敬意が次第に薄れ、同輩に使うようになる。
- 貴殿 きでん
- 男性が同輩または目上の相手に対して敬意をこめて使う。もとは目上の相手に対する敬称だったが、のちに同輩に対する親愛の言い方となる。
- 卿 けい
- 男性が同輩(男性)などに軽い敬意をこめて使う。君主が親しみをこめて臣下に呼びかけるときに使う。
- 賢兄 けんけい
- 男性が手紙などで、同輩(男性)または年上の相手に対して敬意をこめて使う。
- 御辺 ごへん
- 同輩またはやや目上の相手に対して使う。
- 其処許 そこもと
- 主に武士が同輩または目下に対して使う。
- 足下 そっか
- 男性が手紙などで、同輩または目下の相手に対して敬意をこめて使う。
- 其の許 そのもと
- 同輩または目下に対して使う。
- 尊兄 そんけい
- 男性が同輩(男性)に敬意をこめて使う。
- 大兄 たいけい
- 男性が同輩(男性)または年上の相手に対して敬意をこめて使う。
- 汝ね なね
- 相手に対して親愛の気持ちをこめて使う。
- 汝 まし
- いまし、みましの略。
目下の相手を呼ぶ場合
- 汝、己 うぬ
- 相手に対して卑しめをこめた言い方。
- あんた
- あなたの変化。江戸時代後期は遊郭で目上の相手に対して使い、現在は同輩または目下の相手に対してくだけた感じで使う。
- お主、御主 おぬし
- 室町時代以降、同輩もしくは目下の相手に対して使う。
- 己 おのれ
- 目下の相手に対して罵って使う。
- お前 おまえ
- 主に男性が同輩もしくは目下の相手に対して使う。ぞんざいな言い方。
- 貴様 きさま
- 江戸時代中期までは目上の相手に対して敬意をこめて使っていたが、以後は同輩または目下の相手に対して罵りをこめて使う。
- 君 きみ
- 男性が同輩または目下の相手に対して、親しみをこめて使う。また男女間で親しみをこめて使う。わがきみ。
- 汝 しゃ
- 相手に対して卑しめをこめた言い方。
- 其方 そち
- 目下の相手に対して使う。
- 其方 そなた
- 目下の相手に対して、やや丁寧な感じで使う。
- 其の方 そのほう
- 武士・僧侶が同輩もしくは目下の相手に対して使う。
- 大将 たいしょう
- 同輩もしくは目下の相手(男性)に対して親しみやからかい、軽いあなどりをこめて使う。
- 手前 てまえ
- 目下の相手に対して使う。
- 手前 てめえ
- てまえの変化。目下の相手に対して使う。ぞんざいな言い方。
- 己、汝 な
- もとは自分自身をさす言い方。転じて相手をさす言い方に変化。
- 汝人 なひと、なびと
- もとは自分自身をさす言い方。転じて相手をさす言い方に変化。
- 汝 なむち、なれ
- 同輩または目下の相手に対して使う。
- 汝、爾 なんじ
- なむちの変化。同輩または目下の相手に対して使う。
その他
- お嬢様、御嬢様 おじょうさま
- 他人の娘に対して敬意をこめて使う。また若い娘の敬称としても使う。
- お嬢さん、御嬢さん おじょうさん
- 他人の娘に対して敬意をこめて使う。また若い娘の敬称としても使う。
- 貴女 きじょ
- 手紙などで、相手の女性に対して敬意をこめて使う。
- 奥方 おくがた
- 貴人の妻に対して尊敬をこめて使う。
- 上様 かみさま
- 身分の高い人の妻や町家の主婦・主人の母に対して敬意をこめて使う。
- 上様 かみさん
- 商人・職人などの主婦、親しい家の主婦に対して使う。おかみさん。
- 貴姉 きし
- 手紙などで、相手の年上の女性に対して敬意をこめて使う。
- 背の君、兄の君、夫の君 せのきみ
- 女性が特に夫をさして使う。
- 内室 ないしつ
- 貴人の妻に対して尊敬をこめて使う。転じて、他人の妻に対して敬意をこめて使う。
- 汝兄 なせ
- 奈良時代に使われた言い方。女性が男性に対して親しみをこめて使う。
- 汝妹 なにも
- 奈良時代に使われた言い方。男性が女性に対して親しみをこめて使う。
- 夫君 ふくん
- 他人の夫に対して敬意をこめて使う。
- 坊ちゃん
- 身分の高い人または他人の息子に敬意をこめて使う。
- 令閨 れいけい
- 他人の妻に対して敬意をこめて使う。
- 令室 れいしつ
- 他人の妻に対して敬意をこめて使う。
- 令夫人 れいふじん
- 他人の妻に対して敬意をこめて使う。
- 我が背、我が夫 わがせ
- 女性が夫・恋人・兄弟などに対して親しみをこめて使う。
- 我背子 わがせこ
- 女性が夫・恋人などに対して親しみをこめて使う。
関連項目
- 最終更新:2013-02-11 23:59:36